0と1の反復横跳び

デジタルな仕事とアナログな趣味の記録

1-2月に買った本

久方ぶりのブログ更新となった。 理由は特になく、躁鬱の鬱状態がが7-8割といった具合だったため、駄文をしたためる気力がなかっただけだ。

そのため最近の生活は、テレワークで週に1回出社するときと、土日に用があるとき以外は自室にひきこもる廃人そのものである。 あと医者と2か月弱に一回髪を切りに下北界隈まで散歩しに行くくらいなものである。

さて、今回は1月と2月に買い求めた本のうち、特に書き記したいものを取り上げることにする。 実店舗、インターネット、中古新品問わずかなりの量を購入したが、正直全然読めていないことを白状しておく。

まずは漫画類

最初に冬アニメとして放映されている『葬送のフリーレン』の単行本をそろえた。 秋葉原界隈にドライブついでで行った際に買い求めた。全12巻。

読んだ感想としては、スロウテンポな進行が冬という季節に合っており、雰囲気良く楽しめた。 キノの旅やその系統に近いかもしれない。 絵柄はアニメと漫画で若干差があると感じたが、やはり魔術をキーとしている作品のため、映像で動きが出ると臨場感があって面白い。 まだ道半ばといった次第なので、今後の展開に期待が持てる。

次にそろえたのは『映像研には手を出すな!』である

昨年にchelmicoのライブをみてからというのもの、アニメを見なければいけないというのは頭にあり、視聴してみたところ非常に面白かった。 そのため原作も追ってみたいと感じたことから購入。

これまた秋葉原界隈に散歩しに行った際に購入した。しかしまあ複数の店舗を回る羽目になり大変だった。 個人的にcomic zin様が好きなので、こちらで求めたいところだったのだが、生憎最新の数巻が在庫切れだったためそれを探すのに苦労した。

残念ながらまだ原作は読み始めていないため、暇な時に拝読いたす。

最後は作品群として、吾妻ひでお氏の単行本を集めた。

大分前に実家においてあった失踪日記を読んでからというもの、あのキャッチーだけれども不条理な作風が忘れられずにいた。 で、なんとなく久しぶりに読んでみたら非常に引き込まれたため、遺作達を読みたいと思い頑張って集めた。

生憎素人なものでどういう順番で集めればよいかわからなかったため、wikiを参考に代表作と近年の新品で手に入るものを中心に探した。

特にお世話になったのは復刊ドットコム様。正直高いと思ったが、梱包の丁寧さと印刷の質にやられてしまった。(『ななこSOS』と『陽射し -reissue-』、同人誌の『産直あづまマガジン』を買いました。)

まだ全部は読み切れていないのだが、個人的に好きなのは『地を這う魚』。私小説的と不条理な要素が絡み合い、独特の雰囲気を醸し出していると思う。

何が良いって、やはり描き込み度合だと思う。いろんな人が書いているけれども、今日日キャラクタを全身丸ごと、それも複数人のカットを複数ページも書くなんて、まさに執念だと思う。

そして女の子の可愛いこと。上手にデフォルメしていると思う。

紙で読もう小説類

写真の通り、大好きなチャンドラーや村上春樹の新作も購入したが、特筆すべきは西村賢太氏の作品だろう。

たまたまX(Twitter)でフォロワー様におすすめいただいた(?)のがきっかけで読みだした。

とりあえず4作品購入した。 『苦役列車』、『小銭をかぞえる』、『廃疾かかえて』、『やまいだれの歌』(写真にはないけれど)。

現時点での読了は2作。先頭の2作である。

正直、私小説はあまり得意ではない。僕の好みはSFやファンタジーといったフィクションだし、ノンフィクションを読むときは時事的やアングラに振った作品(森達也など)が主だ。

そのため国語の教科書に載るような大正の文学はどうも苦手だったのだが、時代背景や主人公の姿に引き込まれてしまった。

そもそもとして頭でイメージができるギリギリの時代背景である、ということが効いているだろう。おそらく舞台は昭和後期から平成初期。 未だ一億総中流が謳われる、周りを見渡せば幸せそうなカップルや家族だらけで、高卒は当たり前、むしろ大学に入って大企業に入ることが正解、とされている時代。

そんな中で中卒、裸一貫人夫仕事をしたりしなかったり、といった氏の姿は哀愁さえ漂う。

以前、キューポラのある街という映画を見た。何となくだが川口のあたりの小汚い風景や、中卒で日立の工場に肉体労働をする吉永小百合の姿と、氏の作品に出てくる港湾労働と薄汚い借家の様子とが重なりあい、 侘しさ、虚しさ、だけれども生きてゆかねばならぬ。といった情を感じた。

更に西村氏の作品は何か自分に重なるものがあると感じた。 無論僕と氏の境遇はまるっきり違うものであるし、比べるのは失礼に値するだろう。

だが、なんとなくだがどちらかというと陰気な性格で、対人が苦手、だけれども酒が入ると人が変わったかのようになる描写は、こみ上げてくるものがある。

最後に

生きるのは辛い。だが世の中には面白い作品が沢山存在する。映画、音楽に書籍。

どんな形でもよい。その時々に合った様式の作品に触れることで、少しでも心豊かに、慎ましく過ごせれば幸せだな、と思った年始であった。