0と1の反復横跳び

日記や趣味のメモ。コンピュータ、旅、音楽に本。もちろんアニメと漫画も。そして車。

親指トラックボーラーがKensington SlimBlade Proを買ってみた

<追記: 24/12/01> Kensington SlimBlade Proを使い始めて、約1年と3か月経過したので、改めてレビューをしてみる。

まずは使用感について。

慣れに関しては、1日8時間以上使用してきたので、流石に嫌でも使いこなせるようになった。 むしろ一般的な親指タイプのトラックボールマウスより、手のひら全体で操作することができ、手の疲れは少ないと感じる。

まれに繊細なカーソルやクリック操作を求められる場面でもたつくことがあるが、むしろスクロールは非常に高速移動が行えることから、普通のスクロールホイールのマウスに戻るのが難しくなってしまった。

また、懸念していたOffice系ソフトとの相性だが、Excelのセル選択や移動は問題ない。

PowerPointなど、作図を行う際だが、これは正直相性が良くないと感じる。そのため、ある程度腰を据えて作図する際は普通のマウス(G502X)を使用するといった次第である。

次に1年強経過してのコンディションだが、 気になるチャタリングや、無線接続時の切断症状は起きておらず、問題ないと考える。

またボールの動きについてだが、2~3日に一回のペースでボールを取り出し、軸を拭いて埃を除去しているため、違和感はない。

またシリコンスプレーを用いて、2~3か月のペースでボールにコーティングを施しているため、滑らかな滑りは維持できている。

シリコンスプレー

その一方で、残念ながらホイール周辺の筐体に剥げが生じている。これは大体1年経過時に剝がれだしたと記憶している。

筐体の剥げ
これは親指が触れる位置のため、汗や皮脂が溜まりやすいからだろうか。

最後に現在のセットアップについてだが、HHKBとSlimBladeを並べて使用している。 どちらも無線接続をしており、机や椅子の高さ、位置に応じて自由に移動ができ、快適に使用できている。

HHKB & SlimBlade Pro

といった感じで長期使用のレビューを書いてみた。

本製品は新作として白色が登場するなど、注目度が高まっているようなので、沼にはまるユーザーが増えるのではないか?と思うが、どうだろうか...

<追記終わり>

僕がコンピューターを触り出してかれこれ20年は経つ. そのうちMacintoshユーザーになってから10年ほど経つが,そのほとんどをMagic Trackpadとトラックボールで過ごしてきた.たまにThinkPadを使う際,TrackPointユーザーに擬態することもあるが,やはりトラックボールなしのコンピュータライフは考えられない.

特にWindowsMacLinuxといったOSの垣根を超えながら,ほぼ同じ操作感を維持できるというのは重要で,普通のマウスやラップトップのタッチパッドではどうしても作業にならない.

僕はLogicoolのM570もといM575という機種が好きで,所謂親指トラックボールという種類になる.筐体に右手を載せた際,ちょうど親指の位置に球がくるタイプだ. 自宅はもちろん,学校や職場にも専用のトラックボールを一個ずつ置いている.料理人の包丁,野球選手のグローブみたいなもので,エンジニアのトラックボールといっても過言ではない.

さて,そんな私がなぜ今更になってトラディショナルな中央に球が来るトラックボールを,それも大型の球を備えたモデルを購入したのか.

一つは腱鞘炎ぎみになってきたからだ.

今までも日に10時間弱コンピュータを触っているような人間だったので,あまり気になることはなかったのだが,仕事でコンピュータに向き合うようになってから,どうも調子が悪い. 実は指に限らず,頭痛や耳鳴りもするので,慢性的なストレスではないかと思うのだが,とにかく右手が使い物にならないのでは話にならないので,解決策として大型球のトラックボール導入を決めた訳だ. (ちなみにキーボードの導入も考えている.Vimないしターミナルと睨めっこすることがほとんどなので,極端なキーバインドのキーボードの方が使いやすいのではないかということがある.あとこれは自宅での話だが,Macintoshのキーボードはレイアウトこそ完璧なものの,ストロークが浅いので,指にダメージが入りやすいのだ)

もう一つは,派手なポインティングデバイスを使いたくなったからだ.オフィスではFilco Majestouch2のUSテンキーレスとM575を置いているのだが,いかんせん味気がない.周りにすごい年季の入ったスクエア型モニターを何枚も並べたり,茶色くなったHHKBを愛用している人がたくさんいるので,もっと個性を出したくなったというのがある.

そうと決まれば,まずは店頭で触ってみるのが定石だ.美容院のついでに吉祥寺のヨドバシカメラまで足を運んだ.

基本的にKensingtonのものしか買う気はなかった(し,他にないと思う)ので,Expert Mouseと今回買ったSlimBlade Proを触ってみる. まず,Expert Mouseは妙に角度が立っていて使いにくかった.パームレストをつければ問題ないと思うが,あいにくパームレストは展示されていなかったのだ.あと,スクロールリングの動きが渋くなっており,耐久性に不安があった.

対してSlimBlade Proは,角度が浅いのが特徴だ.パームレストなしで問題ないと思う.手のひらを被せるように置けば自然に使うことができると感じた. また接続方法がUSB有線(Type-C),2.4 Ghz無線,Bluetoothと複数存在するのが魅力的だった.コンピュータというのは気分屋なので,たまにマウスの接続が切れたりする.そういった際,業務では時間を無駄にしないためにも有線に切り替えたり,Bluetoothを切ってUSBドングルを挿して対応するといったバックアップが不可欠だと思うわけだ.

もう一点,バッテリー充電なのが魅力的だった.個人的に単三のデバイスは好きじゃない.なのでType-Cで充電できるに越したことはないため軍配が上がった.

あと,二者を比較したときに発売日がSlimBlade Proの方が新しかったということも挙げられる.やはり今時のデバイスは無線関係の設計がしっかりしていると感じるため,SlimBladeの方が適切だと感じた.

ということでヨドバシで買って帰ろうかと思ったのだが,念の為にAmazonで価格を見ると限定モデルが通常モデルより2000円弱安く売られていたため,こちらを購入した.なお通常モデルは球が赤くなっており,Amazonモデルは黒いという特徴がある.もう一台買う際は比較も兼ねて通常モデルにしようと思う.

さて,実際に家に届いて設置してみた.

見た目に関してはブラックのMacBook Airとの相性もよく非常に満足だ. またM575とフットプリントを比較すると,縦横ともに2倍ほどのスペースを要求されるが,これは致し方ない.

使用感としては,やはり人差し指と中指で球を転がすことに慣れていないので,細かい動作(例えば右クリックをして,メニューの項目を選択するなど)は詰まってしまう.ただ大きい動作(ウィンドウの移動など)は違和感なく行えると感じた.

また肝心のスクロールについて,SlimBlade Proは物理のスクロールリングがない.そのため球の周りのリングに薬指を引っ掛けて,回すことで本体の方でカチカチというクリック音を鳴らしてスクロールを実現する.

これはイメージとして昔のiPodに備わっていたクリックホイールのようなものだ.親指か薬指のどちらで操作するかの違いでしかない.

まだ使い出して数時間だが,小気味良いクリック音が作業を楽しくしてくれる. Excelの操作を行う際,どういった具合になるかが不安だが,これは慣れしかないだろう.

また今時のマウスなら当たり前のページ戻し・進みのボタンは,メインの左右クリックの奥にあるボタンをソフトウェアで設定することができる. そのためほとんど違和感なく使用できる.またボタンを複数同時押しすることで,ショートカットを実行することもでき,Macintoshユーザにとっては非常にありがたい仕様となっている.

当分自宅のMacintoshで体を慣らして,いい頃合いを見計らって職場用に追加で購入したいと思う.

素直にいいデバイスだと思うので,一度触ってみて欲しい.