0と1の反復横跳び

デジタルな仕事とアナログな趣味の記録

新しいコンピュータを自作した

年末年始というのはまさに心身の療養期間である.

社会に揉まれて傷づいた心と体を休めるために存在する.

だが家で四六時中ボケーっとしていてもなんのためにもならないので,前から欲しかった新しいコンピュータを仕込むことにした.

理由は,コンピュータ業界に身を置くものとして,x86アーキテクチャ(それも高性能な)マシンの必要性を感じたからである. 僕は私用ではARM Machintoshを使う.正直過不足はない.だが暇なときに生成AIをぶん回したり,GPUプログラミングをしたり,x86アセンブラを書いたりするにはx86のマシンでブートするWindowsそしてLinuxが必要である.

コンセプトはなるべく安く.2ヶ月分の残業代くらいで組めるマシン,だ.

パーツ類

用意したパーツは以下の画像の通り.

ケースはDefine 7 Compactにした.ATX対応のなるべく小さく静かなものが欲しかった.またHDDとかDVDドライブは非装着のため,小型ケースは良い選択だと思う.

CPUクーラはAK620を選択.デカくてよく冷えるという評判である.どうも簡易水冷という代物が信用できない性格なもので,バカみたいにデカい空冷ファンを選んでしまった.

電源はぶっ壊れるまで使えるように高耐久で最大出力がデカいものを選んだ.850wもあれば将来的にi9+RTX*80みたいなパーツに載せ替えても恐らく余裕だろう.

あと,性能に直結するスペックは下記の通り.

CPUはZen3世代とした.メモリは32GBもあれば十分なのだが、せっかくなので64GBを搭載した.

SSDWindows用の2TBと,キャッシュ的に使う256GBを1つ.あとLinuxのディスク用で256GBを1つとした.

GPUはケチった.なぜなら高いから.70になるだけで2倍近く跳ね上がる. なら6桁万円出してRTX4080を買いたいところだが,財布事情が厳しいので今回は妥協して4060ti 8GBにした.

そもそもとして4060tiには8GBと16GBモデルが存在する. 僕の選んだ8GBモデルは16GBモデルと比べてメモリ帯域のbit幅が少ない.つまり一度に送信できるデータ長が短いので評判がよくない.

だがそもそもとして,アプリケーションを動かした際の性能不足は,メモリ帯域以前にCUDAコア数とか周波数も効いているはずなので,ケチる時点で何を選んでも変わらない.

これについては追々アップグレードしたいと思う.

さて,役者は揃った.

組み立て

まず,最初に断っておかなければいけないこととして,冬は電子機器の分解や組み立てに向かないということである. 静電気は電子機器の大敵であるわけだが,そんな大敵が大量発生する時期に組み立てをやるのは大馬鹿者,ということになる. 今回はフルモジュラータイプの電源を選んだため,不要なケーブルの処理がなく楽に組み立てが行えた.またケース自体も3.5インチベイの取り外しが可能だったり,小型な割には取り回しが楽であった.

完成系は以下の通り.

起動して遊ぶ

まず,OSは以下の通りとした.

Windowsは言うまでもなく最新版のProを選んだ.

Linuxは非常に迷った.業務ではRHELを使っているが,個人で使うようなものではない.またArch Linux等を入れても良かったのだが,セットアップが煩わしそうだった. とすると消去法でDebian系のUbuntuを選択するのは必然である.

またベンチマークテストとしてCinebench 2024を実行した。

スコアは下図の通り。 普段使用しているM2 MacBook Airは下図の通り。

結論として、なんとARMアーキテクチャMacBookのほうがシングルスレッドの性能は高いのである。 ただデスクトップ用CPUのポテンシャルの高さは流石で、マルチコア性能は光るものがある。 またGPU性能は流石にNVIDIAの専用チップを使用しているだけあって全く勝負にならない、といった具合だ。

所感

予算は多くなかったが、個人用途で使用するには十分すぎる性能のコンピュータもといワークステーションを自作できたのではないだろうか。

性能については申し分なく、数年は開発からゲームまで楽しめるだろう。

また自作ならではの醍醐味である、クーラやケースの選択は間違っていなかったと思う。 基本的には超静音状態で使用でき、高パフォーマンスを引き出す場面では高性能な冷却性能によって演算処理を確実に実行させることができそうだ。

今後はGPUプログラムやx86アセンブリプログラムの記事も更新したいと思うので乞うご期待。