0と1の反復横跳び

デジタルな仕事とアナログな趣味の記録

社会的構造の見直し

今日,ついに開発中のプロジェクトに決着がついた.半年間,長いようで短かった.

初めて本格的に携わった業務で,正直なところクオリティはとても褒められたものではなかったが,上長からクローズの承認をもらえたのでヨシとしたい.

効率よく業務を回すこと重要性,開発スケジュールの管理,(クソ面倒くさい)開発手順の遵守意識など,これからのエンジニア人生において気を配るべきポイントはなんとなくわかった気がする.

まだ技術的に習得しなければいけないことや,経験値は大いに不足しているが,長いエンジニア人生だ.噛み締めるように自分の物にしていきたい.

閑話休題

先日,ダイハツ工業で大々的な不正が暴露された.

不正の範囲,対象が膨大なので,外部の人間が十分把握するのは難しいと思うが,よくまあ今までバレなかったな,という感想.

だが,個人的に考えさせられることが多かったので,考えをまとめてみたい.

なぜ不正が起きるのか

これは単純明快である.上からの圧力が原因だろう.

資本主義において,企業は金を稼ぎ続けなければならない.もし,特定の市場において,その企業しか存在しないのであれば,ゆるくやっても支障はないだろう.だが,数多の企業がしのぎを削っている今,一刻も早く市場のニーズに合う製品を安く届けることこそが重要になっている.

全ての皺寄せは現場の人間にやってくる.開発日程の短縮,予算の削減.

その一方でニーズに応えるために増える商品ラインナップと求められる性能.そして品質.

さらにこのご時世,コンプライアンスには非常にうるさいので,労働基準法を逸脱しないように業務を遂行しなければいけない.

1万歩譲ってリソースが十分に充てられているなら,なんとかなろう.

だが極限まで減らされた開発人員で労基法を遵守してこの上記の要求を守るのは不可能といってもよいだろう.

さらに(本来はこういった不正を起こさないために)ガチガチに開発手順を組んで,アホほど厳しい数多の基準を守らなければいけない.

はっきり言って地獄だ.

それでも現場は顧客のため,社会のために頑張る.

でも何事にも完璧は存在しない.どうしても解決できない技術的問題が発生する.

「なんとかスケジュールを延ばしてもらえないだろうか.」

要求は受け入れられない.

選択肢は2つに1つ.

過労死覚悟でサビ残するか,手を抜くか.

全く酷い話だ.

解決策はないのか

解決策は

  • (カネ,ヒト,時間といった)リソースを増やす

これしかないだろう.

だが,これを特定の一企業で行うのでは意味がない.

製品に関わる全ての企業,もとい国家レベルでリソースを増やさないと意味がない.

自動車のような工業製品は信じられないくらい沢山の部品が組み合わさることでカタチになる.その裏ではこれまた沢山の企業や人が関わっている.

自動車メーカー本体のリソースだけではなく,サプライヤー(部品,素材メーカ)やそれに関わる企業(運送業とか,それこそ工場の清掃の人)にも潤沢なリソースが行き渡るべきだ.

今回の不正問題が業界もとい社会構造を見直すきっかけになることを強く願う.