灼熱の暑さだった9月から打って変わって,セーターが必要なほど寒い今日この頃.
紅葉にはまだ早いが秋を感じる気候になってきた.こういう時は音楽を聴きに行くに限る.
いくつか聴いてみたいミュージシャンはいるのだが,スケジュールや場所の都合が合わずいけないことが多い. あとe-plusでチケットの抽選を見張っているのだけれど,すでに売り切れとなっていることもある.
そんな中,先日映画を見に行ったサニーデイ・サービスというバンドが日比谷野音の公演に出ていたので行ってきた.
行ってきた公演は祝・日比谷野音100周年 SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2023 in TOKYO. 日比谷野音が今年で100周年&建て替え工事に入るため,その一環で行われたようだ. 音楽好きなら一度は行ってみたい野音.最高だった.
まず,野音そのものについて,非常に音が良かった.音に包まれている感覚がとても心地よかった.PA技術の進歩に感謝しよう. もちろんPAだけではなく,あの空間だからこその音なんだと思う.ビルに囲まれた日比谷公園でガツンとボリュームを上げてこそあの音が出るのだろう.
もう一つ,見晴らしが良かった.野音は階段上になっていて,後ろの方が高くなっている.なので前の人を気にせずステージに集中できるのが良かった. あとキャパが広すぎないので,後ろとか端の方でも十分見通せるのは素晴らしい.
さて,野音の批評はこのくらいにしてライブ全体の話をしよう.とにかく多種多様な音が楽しめた.ジャジーな音からエレクトロニクスまで,広く浅くの音楽ファンにはたまらないものだった.また同じ箱でもミュージシャンによって表情が変わるという当たり前のことにも気付かされた.何回も足を運んで聞き込むことは大切なんだな.
もう一つ,やっぱり音楽は生で感じることが大切だと気付かされた.僕はライブに行く時はお目当て以外のミュージシャンの音楽も事前に勉強してから行くことが多い. 正直,イヤフォンで聞いてる時はパッとしないことも多い.なので期待せずに行くのだが,いい意味で裏切られた.
結局音楽を何のために演っているのかということではないか.もちろん自分たちの感情,思想を表現するためのツールであるわけだが,その先には必ず聴き手がいる.一人でも多くのフォロワーを増やす手段としてサブスクが存在し,フォロワーと対話する場がライブではないだろうか?僕はそう感じた.
そんなことを考えている間にも,時間は寸分の狂いなく経過してゆく.
時刻は19時.最後のバンドになった.サニーデイの出番だ.
ドラムにアンプ,曽我部さんのテレキャスと役者が揃っていく. そして,3人が登場する.
同時に観客も総立ちして,神秘的な,夜の宴が始まった.
激しいドラム,正確なベース,そして甘いヴォーカルとギター.
音楽ってこんなにも美しく,そして儚いものなんだな.
だから体を揺らし笑って一生の思い出にしようとする.
究極のメディアはLPでもMP3でもない.実体験だ.
あっという間の1時間だった.感動が強すぎて演目も覚えてない.セツナと青春狂走曲,春の風,コンビニのコーヒーはやってたかな.あとRCサクセションのスローバラードをやっていたな.
今回の教訓は,音楽とはライブで聴くもの.生でバンドを目の前にしないと良さはわからない.以上.