0と1の反復横跳び

デジタルな仕事とアナログな趣味の記録

魔法使いがいない世界

先日仕事の息抜きにネットサーフィンをしていたらこんな記事を見かけた.

atmarkit.itmedia.co.jp

大分前の記事だけれど,非常に既視感があったのでとりあげてみる.

僕の所属している会社はまさにこの記事に書かれているような現象が起こっている.

  • 業績は右肩上がり

  • 平均年齢は高め

  • 若手は「先のある」仕事に配属される

  • 30代後半で若手

いくら業績がよかったとしても大量に新人を採用することはできない. 人件費というのはなかなか厄介な存在だからだ.

ましてや日本の会社ではそう簡単にリストラをすることはできない. (過去に大粛清をやったところはあるけれど)

それ以前に新人の母数は減っており,これからも減っていく一方だろう.

それだけではない. 今の新人もとい見習い魔法使いは会社への帰属意識が低い.

ひよこが数年すれば親元を飛び立つのと同じで, ある程度スキルが身に付いたら給料の高い会社へ転職するのが当たり前だ.

そんな社会でどうやって優秀な魔法使いを育てるのか. 非常に難しい問題だ.

記事では魔法の種を仕込もうと提案している.

だが,もう時既に遅しという局面に来ているのではないだろうか?

その会社だけなら,各個人だけならなんとかなるかもしれない.

だがこの日本社会で生きていく以上,社会全体の閉塞感というものを打破しない限り, 皆がハッピーになる青写真を描くのは難しいだろう.

かつて,一億総中流という言葉が存在した. 家電に自動車を購入し,家庭を持って一軒家を建てる.

それに呼応するかのように技術が発達し,国が潤った. そして全て失った.

見習い魔法使いが一人意識を変えたところで意味はないだろう.

だが最低限自分と自分の周囲くらいは昭和の幻想に浸っていたい. それが明日の糧になる.それでいいんじゃなかろうか.